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2010年8月18日 (水)

トイ・ストーリー3の感想

 トイ・ストーリー3を観てきたので感想を呟く。

 キャラクターの一人に触れるだけなので、ストーリーのネタバレにはならないと思う。

 取り上げるキャラクターは熊のぬいぐるみ・ロッツォさん。

 テーマは『役割と存在と代替可能性の問題について』

 

 

 

 トイ・ストーリー3

 役割と存在と代替可能性の問題

 ロッツォさんは熊のぬいぐるみである。
 持ち主の女の子には大変可愛がられていた。
 この世界ではおもちゃやぬいぐるみには人間のように意志がある。
 ロッツォさんも、女の子に愛されながら幸せに暮らしていた。
 しかし女の子は、あるときロレンツォさんを誤って無くしてしまう。
 ロッツォさんは苦難を乗り越え、女の子の元にたどり着く。
 だがそこにはすでに、ロッツォさんと同じ熊のぬいぐるみがいた。
 ロッツォさんを紛失したことで、女の子は同じぬいぐるみを買ったのだ。
 ロッツォさんは愛されていたが、所詮はぬいぐるみでしか無かった。
 ロッツォさんはそのことに絶望する。
 愛されていたと言っても人間にとって、ぬいぐるみはぬいぐるみである。
 汚れたり壊れたり調子が悪くなれば、さっさと買い換えてしまえばいい。
 自分は、化学繊維でできたロッツォ型ぬいぐるみのうちの一つでしかない。
 運命など無かったし、自分は唯一絶対の存在などではありえなかった。
 偶然買われて運良く愛され、運悪く持ち主からはぐれてしまった。
 そんなおもちゃのひとつにすぎない。
 人間からみた、おもちゃやぬいぐるみの存在と役割はただひとつ。
 彼らに遊ばれて、楽しんでもらうこと。
 彼らを楽しませるだけの存在であり、それが全てだ。
 逆に言えば、その役割を果たすのならどんなおもちゃだって良い。
 例え同じ型のぬいぐるみであっても、それはロッツォさんではない。
 自分を可愛がってくれていた筈の女の子は、そのぬいぐるみで遊んでいた。
 つまりロッツォという存在は、代替可能だったのだと彼は気づく。
 ロッツォさんが闇に染まる。
 人間はおもちゃを愛するが、ロッツォさん個人を愛さない。
 たとえ愛されたとしても、それは一時の感情でしかない。
 ならばもういいだろう。
 向こうがその気なら、こちらもそのつもりでいこう。
 身の回りの者たちだけで享楽的に暮らそう。
 だから彼は、保育所を支配下に置いた。
 自分の願望を叶えるための楽園を築いた。
 彼はそこで子供たちを楽しませるが、それは一回性のもの。
 一年単位で別れを繰り返し、遊ばれ続ける。
 そこはまさにおもちゃにとって楽園だった。
 おもちゃの役割が子供を楽しませるということならば、
 子供の役割はおもちゃで遊び楽しむということである。
 子供を楽しませるという役割をロッツォさんは受け入れ、
 おもちゃで遊ぶ子供の存在を代替可能なものとした。
 その楽園ではおもちゃと子供の流動性が逆転するのだ。
 ロッツォさんは復讐を果たした。
 そして彼は、どうでもいいものを踏みつけにして今日も享楽にふける。

 子供はやがて成長しておもちゃで遊ばなくなる。
 そしておもちゃたちは捨てられていく。
 この現実にどう向き合うのか。
 捨てられる今際の際に、楽しかったあの頃を思い出して
 俺の人生だって本物だったはずだろッ!!
 とむなしく叫ぶのか。
 それならそれで良いかもしれない。
 だが俺ならば、おもちゃの流動性を極限まで高める。
 そしておもちゃと子供の役割がマッチしやすくなる市場を形成する。
 そこでは運命や個人の存在など問題にされず、
 代替可能性が極限まで高められた中で自らの役割を果たす。
 おもちゃにも減価償却期間があるだろう。
 子供を楽しませておもちゃとしての生涯を当たり前のように全うできる。
 そういう世界を目指しちゃいけませんかね、ロッツォさん!!

 俺はロッツォさんにものすごく共感している。
 ロッツォさんのことを思い出すと途方に暮れてしまう。
 こんなのはザムドのフルイチ以来だ
 両者に共通する特徴は、報われずに消えていく悪役である。
 そんな奴らに共感してしまう俺の危うさよ。

 いつかこのテーマで物語を一本書かねばなるまい。

提供:かりうむ

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

3行で(ry

投稿: φ | 2010年8月18日 (水) 22時20分

簡易産業



たい


三行

ロッツォさんに感情移入しすぎて生きるのが辛い
俺でもこんな境遇なら同じ事をするに決まってる
お前らもトイ・ストーリー3を見て絶望しやがれ!!
 
だいたいこんな感じ。
というか常駐ですか、φさんまじぱねぇっす。

投稿: かりうむ | 2010年8月18日 (水) 22時29分

お前は長文癖でもあるのか。
トイ・ストーリーは1も2も見たことないが、見たくなったじゃないか。どうしてくれる。

投稿: tatsu | 2010年8月18日 (水) 22時47分

>>最近はRSSリーダーなる便利なツールがあるんだぜ。更新があったときだけ通知してくれるので便利。

とりあえず、トイ・ストーリーは神戸戻ったら見に行くことにする。3D映画を見てみたいということもあるし。

投稿: clef | 2010年8月18日 (水) 22時51分

>tatsu

 最高の褒め言葉だ。シリーズ通してみろ。
 エンタメ作るんならトイ・ストーリーの視聴は欠かせん。
 これは間違いない。

 あと長文の件は逆に考えるんだ。
 長文になった感想文しか記事にしていないのだと。
 


>clef
 
 なるほどフィードか……つかってみよう。

 そして、映画は絶対見るのだぞ。
『そりゃ夢だよ』
とつぶやきながら泣け。

 現実と理想の狭間で揺れながら、
『俺達はいつの間にか大人になっちまったのか……もうあの頃には戻れないだろ』
と嘆き、過ぎ去った青春の日々に想いを馳せろ。

 つまり観ろってことだよ、言わせんな恥ずかしい。
 

投稿: かりうむ | 2010年8月18日 (水) 23時28分

clefがいうような近代的技術は俺にないッ!

まぁ常駐はしてないよ たまたま うん

投稿: φ | 2010年8月19日 (木) 19時11分

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