かりうむ『虫師について語ろうか』
NHKの2009年前期アニメ『虫師』全話見終わったので感想なんぞをつらつらと。もちろん受信料は払っているのでご安心を。
虫
虫虫
『この世は人知れぬ生命に溢れている』
虫と人の織りなす物語といえばいいのだろうか。
一話完結の短編連作で、虫関係の厄介事を解決する虫師ギンコが主人公である。
問題提示→解決という構成で話が進んでいく。そういう意味では『地獄少女』を彷彿とさせる。
魅力は、問題解決の巧みさだと感じた。前提条件と個別条件の落としどころを上手くつけているのが、巧みだと感じる理由である。
個別条件は、虫が話ごとに起こす災いのこと。もちろん一話毎に違う。
前提条件は、『虫師』全体を貫くある種の思想である。
人は生きていくし、虫も生きていく。無かったことにもできないし、隠すこともできない。それでも生きていく。生きるには悲しすぎることもあるし、それが解決できないこともある。それでも人は生きていく。
そういう、捉えようによっては絶望でしかないことを訴えている。人生というと途端に陳腐な表現になるが、人が生きていくということはどういうことなのかを、誰もあまり口にしないほうの生き方をこのアニメで改めて知ったように思う。
そういう前提が虫師を貫いているように思うが、それとに反しながらも個人的に一番好きな話が20話『筆の海』である。
絶望的な状況にありながらも、希望を感じて笑い合う話である。
『それでも、生きてるんだよ』というセリフからは、絆と信頼、俗に言う『とうめいなちから』が感じられ、それが非常に良かった。うまく説明できないが良かった。
アニメとしては、過去最大級の面白さだと個人的に思った。これは自分の趣味がこのアニメに合っていたからだと思う。人を選ぶ作品だが、試しにどうだろう。
アニメが面白かったので漫画版にも手を出してみようと思うが、漫画版の最終話は良かっただろうか。読んでいる人がいたら教えてほしい。
提供:かりうむ
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